【ことば倉庫】

詩集『灰も落とせない指』更新中/ほか作品集は最下部から

#65 処女、確実な熱

 

俺が入ったのが 初めてなら
初めてでよし、としといてよ
そしてもし俺と
終わったら
また初めてで いいんだよ

 

いくつもの人を
通り過ぎたと考えるより
ただひとつの熱を 大切な熱を
冷たささえ 嫌じゃないほどの
熱い熱を感じてほしいんだ

 

いくつもの自分を
作り出さなくていいんだよ
ひとつでいい
ひとりじゃいけない
大切な熱をもってる誰かを
また探して 進めばいいんだよ

 

言えないことがあるのなら
思い切って
言わなければいい
励まされる事を知るために
思い切って
生きてみればいい

 

果て
ここはどこだろう
疑問を抱いて眠らせたなら
望遠鏡のぞいて
大げさな非に旗を振るより
ずっと明らかな
起きてるんだって
頼もしくともる火に気づくはず

 

小さな人へ
大きく切り離した過去を
一秒でいい、大切と呼んで
他のことなど
どうか気づかないふりで忘れてください