【ことば倉庫】

詩集『灰も落とせない指』更新中/ほか作品集は最下部から

#56 楽しい一日

 

これが正解だった
なんてたわ言ぬかして
期末だからと
見返す馬鹿を見下ろす
ことの真相は
楽しい一日を
過ごすことだけで目いっぱい

 

川べりに着いて
深い草のかげから
あれこそが正解
なんてざれ言ほざいて

戯言、そう訳せば
細かい枝はひとくくり
往生際悪く
跳ね返る水の濁り絵

 

何を言ったかな
きっと雑音だらけ

ためらいの中で
ずっと吃音ばかり

 

楽しい一日を過ごす
くらいが関の山で
長いことつながろう
なんて芸当は無理だった

それでも

芸はないなりに強く
当たりがあると言おう
人から見れば
間違いの回答でも
ともなった痛みが
食中毒に思えても

楽しい一日
肌に跳ね返る街灯り
明らかだったことなんだ