【ことば倉庫】

詩集『灰も落とせない指』更新中/ほか作品集は最下部から

#20 隠した煙草の条件

 

君は口を塞ぐように
持っていた煙草をくわえさせる

用件はなあに
まるで尋問のようだった

 

 

誤解しないで
条件なんてつけないの

落胆を誘う言葉が
下唇に、重荷を加える

 

もういいかい

ううん、もう一回

 

逸らす目の真意は隠したままで
一回だけ、と嘘をつく 

 

 

言ってくれさえすれば
何ももう要らないの

用事なんてない
煙みたいに行きわたるの 

 

そして
もう一回

 

苦い口止めに任せるままに
喉の奥まで条件をのんだ

 

 

隠さないで
隠したままで

 

もういいかい

 

ううん、もう一回