【ことば倉庫】

詩集『灰も落とせない指』更新中/ほか作品集は最下部から

#18 スーパー・ループ・ガール

 

授業をサボって、あえて走り出す
彼女の不満はずっとシラフで

何かが迫るから、怖くてあえぎだす
寝ることが許された芝生で

 

卒業を控えて、
肩書を失くすことも控えて

相変わらずの不満と
変わらない学生気分で
嘘をついてでも
唄を奏でた

 

わざとくらい偽物の千鳥格子
カバーがつくほどの完璧主義で
男と聞けば刺激する

腰元で回るCDは
目が回りそうなくらい自由で

拳銃によく似た
革張り、5弦のヘッドレス

曲がることの知らない
強さをまき散らして
夜になってでも
低く奏でた

 

お前の願いはいつも自由で

 

 

あまりにも重くて
いつまでも軽い冗談のような
嘘を覚えた自嘲のリズムに

 

縛られて、
失望の中で折れていく
華にたとえるには騒がしすぎるぜ

またどこかで
語り合えたなら
失うことさえ飛ばしてやるよ

残像
握手して、交差する
互いに呼び
捨てる殺伐と、愉快の関係

夜中のバス停
頭をめぐる
寿命を切らす蛍光灯みたいな
ゆるい瞬き