2023-07-29 #17 空洞 詩集『灰も落とせない指』 なんの技術も裏打ちもない素人が刻めるものは 正直さ以外のなにものでもない 溜めておけないいっそ思いつくままに 時間の経過を忘れ過ぎただけで得るものは捨てて 残った過去のひとの形をまた書いてしまうんだ ※とくりかえしてはぶける想いなら こんなことを言わずに済む だけど心は空洞のようにその瞬間をつないでしまう 育つことも忘れて音のない口笛が 形のないひとをただ抱き寄せてしまうんだ 許してくれないか