【ことば倉庫】

詩集『灰も落とせない指』更新中/ほか作品集は最下部から

#24 流しの説教小唄

 

背え比べでえぐった木端さえ
誰だ、と怒って立たせましたね

先生
どんぐりを押しなべて灰汁を抜く
丸い公平が要りますか

 

さて
空砲が鳴ったら競争です

 

三つに二つの弁当箱だ
取り損ねたなら腹でもすかし

強い風
髪を上げられたひたいに
しわでも寄せて笑おうか

 

何が分からないのかも
はっきりしないうちに聞くなと

立てつけの悪いドアを
大人の力で閉めつける

教室の隅で
何がわからないのか、なんてことに
頭のグラスを傾けて
ちゃぷんと揺れる悩みに
頬杖をついて暮らしていた

 

あの子が学校をやめたのは
怠慢とでも叱りましょうか

それとも
彼に何が分からないのか
あなたが分からなかっただけ?

 

頬をはたかれ
時には強いゲンコツを受けて
デコボコになったじゃがいも頭で
無理やり、のぞいた芽

せめて奪われれたくないと
挙手することをやめたら
手刀の部分にうっすらと
鉛の黒ずみが誇りになった

 

不規則にはねる石を蹴り
濁った川に飛び込んで

考える葦
右回れ右で良しになって
誰の手引きも拒む
盲目で孤独な卵のかたまり
誰よりも早く見つけ
そして守るためになら

荷物なんて
捨ててしまいたくなるもの

ねえ
そうでしょう

 

 

説きあうことも
教えあうことも

おめでたくお目高くその歌を
メダカの学校を


裸の合唱を

ねえ
ただ唄いましょう