【ことば倉庫】

詩集『灰も落とせない指』更新中/ほか作品集は最下部から

#11 薄荷糖の安息


紺色を
黒に漬け込んだ刷毛はけでなでたよう
冬の朝は薄荷糖の安息で
重苦しい題材さえ
薄いものの積み重ねだって思えた

幸いにして雪が降らない
そんなギリギリの氷点下に
小さなつづらをあえて開ける
勇気にしたたる水が凍った

飲み込んで吐いたら余計に寒い

綴らば綴れ
つららと凍れ